この頃ベルギーでは、こんな看板が目立っている。この緑色、いったい何?これもコカ・コーラ?
「緑のコーラ」が街角に これが昨今欧米で話題の「コカ・コーラ ライフ(Coca-Cola Life)」だ。中南米(アルゼンチン、チリ、メキシコ)で導入後、昨年夏にアメリカの一部の地域で、そして11月には全米で販売開始。欧州では、英国、 スウェーデンに続いて、今年1月末にフランス、ベネルクスで上市され、今まさに、大キャンペーン中。街中にも、店頭にも、トレードマークの赤を脱ぎ捨てた 「緑のコーラ」が目立っている。
『緑』な理由は、天然植物ステビアからの抽出エキスと砂糖の絶妙な組み合わせで実現した、控えめな甘さとカロリー。コカ・コーラ・ベル ギーによれば、従来品に比べ砂糖を33%減量、カロリーは300ml缶入りで139Cal から89Calへ減少させたという。自然を愛し、身体に良いものを好む大人がターゲットだ。
「コカ・コーラ ゼロ(Coca-Cola Zero)」の導入以来、約8年ぶりの新製品だが、これによって、元祖コカ・コーラを愛する人から、自然な甘みで健康を志向する人、そして、徹底的にノン シュガー・ノンカロリーを望む人など、幅広い層に対して、それぞれの好みやライフスタイルに合わせたフル・ラインアップが完成すると、コカ・コーラ社は自 信満々。
米国の新聞USA Today(2014年11月4日)によると、コカ・コーラ ライフは、発売前の市場調査で、清涼飲料カテゴリーでは近年希に見る好結果を得たという。テストマーケティング中、問い合わせが相次ぎ、すぐにリピーター がつき、売り切れも続出したらしい。その理由は、「美味しいから」、そしてなんと「緑色だから」とか。
店頭でも緑のコーラが目立つ
それにしても、日本人としてはどうも腑に落ちない。甘味料にステビアを使った飲料なんて、特に目新しくもない。それもそのはず、70年代、ステビア を甘味料として初めて商品化したのは日本の企業だった。90年代には、大塚製薬の「ポカリスエット・ステビア」など、すでに清涼飲料にも使われてきてい る。最近では、ステビアは、低カロリー天然甘味料というだけではなく、糖尿病や高血圧への薬効や、健胃や酸化抑制効果がクローズアップされ、美容と健康へ の期待も高まっているとはいえ、それにしてもなぜ今頃と首をかしげたくなる。
実は長らく、アメリカ、EU諸国ではステビア抽出の甘味料は食品添加物として認められていなかったのだ。アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認した のは2008年12月になってのこと。コカ・コーラ社はこれを受けて、2009年から商品化に向けて動き始め、ようやく大型新製品コカ・コーラ ライフの発売にこぎつけたというわけだ。
1月末、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグで発売となったCoca Cola Life
欧州では日本に比べ、ソフトドリンクメーカーが少なく、ペットボトル入りのお茶などの選択枝も極めて少ない。コカ・コーラは依然として、子供から大 人まで圧倒的な人気を持つ大ブランドだ。肥満回避や健康志向の高まりで、ベルギーでは、全コカ・コーラ社売上の44%が、ノーシュガー・ノーカロリー製品 となり、ベルギー人の摂取カロリーは、この5年で9%も減少したとのデータもある。
同時にエコ志向も強いベルギーでは、消費者は、消費財にも地産地消を気にするので、70%が国内(約半径100㎞圏内)で製造されていることもアピールされている。さらに、リサイクル効率の良い、ガラス瓶入りや缶入りも同時発売されている。
競合ペプシコは、昨年10月、同じくステビアを用いた「ペプシ・トゥルー(Pepsi True)」を導入。アメリカ国内でのみネット販売中だ。ベルギーではまた、「グリーン・コーラ(Green Cola)」なる製品も登場している。2012年以来ステビア入りに着手したというギリシャ・アテネを本拠地とする飲料メーカーが製造するもので、ベル ギーの他、キプロス、セルビア、ルーマニア、ブルガリア、オーストラリア、イスラエルに輸出しているという。
コカ・コーラ社は、有望成長市場「緑のコーラ」のマーケットリーダーを自称する。日本では、「コカ・コーラ」誕生100周年を祝う記念すべき発売は3月9日。久方ぶりの大型ヒット商品となるだろうか。
(c)Coca-Cola Belgium / 米国内でネット販売中のPepsi True (c)PepsiCo / ギリシャからGreen Cola (c) Green Cola
(PUNTA掲載 2015-02-23)