ランドセルの原型となった箱型で厚革の通学かばん「Ransel」は、ベルギー・オランダで生まれ、かつては世界中で愛用されていた。老舗「ruiter tassen」が80年ぶりに子供向け通園・通学かばんを再開。エコロジーや品質を求める人々にじわじわと広まっている。その秘密は、化学薬品を使わず、環境にやさしい植物性なめし。そして、幼いうちから、使い捨てコマーシャリズムに迎合させず、上質なものを長く大切に使うことを教えたいという姿勢だ。従来のかばん売り場ではなく、木製おもちゃや知育玩具を扱う店で売れているのもうなずける。宣伝もせず、ドラマやポスターで、上品な親子の傍らにさりげなく置かれているだけなのに、どうやら、こだわりママのアンテナにピピピと響くものがあるらしい。
クレヨンハウス「クーヨン」2011年4月号global family viewページに掲載