ベルギー国民が最も愛するチョコレートのデザート
ムース・オ・ショコラ
民族言語事情が複雑で国の分離問題がくすぶり続けるベルギー。ところが、ことグルメとなると、コワモテ政治家ですらあっさり意気投合。あの屋台がうまい、うちのおばあちゃんの味が天下逸品などと話がはずむ。そんな中、ベルギー人が最も愛するデザートといえば「ムース・オ・ショコラ。」家庭でも、著名パティスリでも、絶妙の舌触りが競われる一品だ。
おいしいムースは何が違うの?との素朴な質問に、「要は美味しいチョコレートと生クリームを使うことよ」と答えてくれたのは、フレンチシェフを長年指導してきたウィリー・ローゼン氏。ベルギーの家庭に伝わるレシピで泡立てた卵白を使うのが一般的。その理由は、「自家製マヨネーズ造りに卵黄が不可欠だから。」もともとこのデザートは、ベルギー人が誇る自家製フリッツ(ポテトフライ)用のマヨネーズを作った後に余った卵白を用いて作ったのだそう。一方、高級レストランやショコラテリでは、リッチでとろけるような味わいを引き出すために、全卵か卵黄のみが使われる。
今回ご紹介するのは、日本でも大人気のチョコレートショップ「Wittamer」の主任パティシエ、クリストフさん直伝のレシピ。こちらも卵白ではなく卵黄を使い、生クリームもふんだんに入れる。作る際の手際の良さに驚くが、それもそのはず、作り方のコツは、「手早く混ぜ合わせること」とか。もたもたしていては、泡立ちの硬さや温度がどんどん変わってしまい、おいしさが半減してしまうのだそう。ささっと作ったら、口に含んでひんやりする程度の温度に冷やして、早めに召し上がれ!
【材料】(約8個分)
卵黄:6個分
砂糖シロップ:200g
(水85gに対し、グラニュー糖115g)
ブラックチョコレート(カカオ分60%):350g
生クリーム:700g
【作り方】
①生クリームを7分目位までに泡立てる。
②ブラックチョコレートを、湯せんまたは電子レンジでゆっくり溶かす。
(電子レンジの場合は、700W程度で1分ずつ様子を見ながら何回かにわけて)
③小鍋にグラニュー糖115gと水85gを入れて火にかけ溶かし、、かき混ぜながら沸騰させる。少し冷ましたら、このシロップをよくかき混ぜながら卵黄6個の中に注ぎ入れ、再び小鍋に戻して火にかけ、焦がさないよう(85℃位)、「ナップ状」*注になるまでよくかき混ぜる。
④③をざるで裏ごししながら、別のボールに移し、電動泡だて器を使って、始め早く、次第に速度を落として、白っぽくきめ細かなムースにする。
⑤泡立てておいた生クリームの1/3を、溶かしチョコレートとまぜる。
(④と同じ位の硬さになるようにするのがコツ)
⑥⑤(チョコレートと生クリームのミックス)を④(砂糖シロップと卵黄を混ぜ泡立てたもの)に入れ手早く混ぜる。
⑦⑥に残りの泡立てた生クリームをすばやく混ぜ合わせて、とろりと流れるような状態し、適当な器に盛り、飾り付ける。
注:ミニミニフランス語料理用語講座:cuir à la nappe(ナップ状にする)とは、ゴムベラなどで、クリーム状のものを少しすくい取り、指で水平方向に筋を引いたとき、すぐには垂れてこないで指の跡が残る硬さを言う。
<アルコムワールド、2010年11月号掲載>

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