クリオロ種カカオへの頑ななこだわり
知る人ぞ知る「パッション・ショコラ」
Passion Chocolat
新進気鋭のショコラティエが登場し、柚子だ、ハバナ産シガーだと奇抜な味を競う中、本来の美味しさに徹する店、それが「パッション・ショコラ」。本店があるのはブリュッセル郊外のしっとりした住宅街。口コミだけで、じわじわと知られるようになり、2008年末Financial Timesで、世界最高の職人チョコレートと絶賛されるや、一躍有名に。
エンジニアだったミッシモ・オリ氏が、店を買い取ったのは2008年。自らも職人として修行し、経営手腕を発揮。今年初め、2号店をオープン。しかし、戦略は極めて地道。老舗や新進ショップと競合するつもりはない。
オリ氏に、美味しさの秘訣を聞くと、厳しい顔が、甘くとろけた。カカオには、フォラステロ、トリニタリオ、クリオロがあるが、ここでは希少で高価なクリオロ種(世界のカカオ生産量の5%)しか使わない。気品あるカカオの風味が口の中で持続するのはこのためだ。「パッション(情熱)こそが、美味しいチョコレートを生む。」とオリ氏。
ここの客層は、クラシックな味を好む。それでも、開発には前向きだ。今、「新奇な味は新奇な形状で」とタブレット・アロマティゼ(超薄型板チョコのバラエティ)に力を入れている。塩キャラメル、ビター・オレンジ、バイオレットなど全部で12フレーバー。「ちょこっとチョコしたい」日本人に好まれそうだ。
Passion Chocolat
本店:Rue Père Eudore Devroye 197, 1150 Woluwe-St-Pière (Bruxelles)
Tel :+32(ベルギー)(0)2-772-4710
営業時間:12時~18時(日月休み)
サブロン店:Grand Sablon(nH Hotel脇), 1000 Bruxelles
Tel: :+32(ベルギー)(0)2-514-7714
営業時間:月~土は10時~19時、日曜は10時~18時
URL:www.passionchocolat.be
<ミセス 2010年11月号掲載>
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